山崎屋の技術メモ

IT業界で働く中で、気になること、メモしておきたいことを書いていきます。

Java の引数、オブジェクトは「参照の値渡し」

オブジェクト編です。プリミティブ型(基本型)の記事はこちら

話はそれますが、プリミティブ型の反対は参照型というらしいのですが、
今回のテーマの中で「参照型」って言葉を使うと、混乱するので、「オブジェクト」にしています。

本題。
よく「Java ではすべて値渡し」って説明を初心者にしている人を見ます。間違いではないですが、ちょっと不親切な気がします。
丁寧に「参照の値渡し」と教えてあげましょう。

それでは、サンプルです。

メインクラスとは別に、メソッドの引数でやり取りするためのクラスを宣言しておきます。

public class Obj {
	public int a;
}

メインクラス

public class Argument {
	public static void main(String[] args) {
		Obj o = new Obj();
		o.a = 2;
		methodA(o);
		System.out.println("oが持つ変数aの内容は[" + o.a + "]");
	}

	private static void methodA(Obj o) {
		o.a = 3;
	}
}

実行結果

oが持つ変数aの内容は[3]

ただ、これだけだと「なんだ、参照渡しじゃん」と言われます。

なので、メインクラスをちょっと変えて、これも見せてやります。

public class Argument {
	public static void main(String[] args) {
		Obj o = new Obj();
		o.a = 2;
		methodA(o);
		System.out.println("oが持つ変数aの内容は[" + o.a + "]");
	}

	private static void methodA(Obj o) {
		o = new Obj();
		o.a = 3;
	}
}

実行結果

oが持つ変数aの内容は[2]

または、こう↓。

public class Argument {
	public static void main(String[] args) {
		Obj o = new Obj();
		o.a = 2;
		methodA(o);
		System.out.println("oが持つ変数aの内容は[" + o.a + "]");
	}

	private static void methodA(Obj o) {
		o = null;
	}
}

実行結果

oが持つ変数aの内容は[2]

methodA で o に null を代入しているのにもかかわらず、呼び出し元に戻って o の変数 a を表示したら、methodA を呼び出す前の値が表示できます。

つまり、参照そのものを渡しているのではなく、参照をコピーしてから渡しているのです。
なので、「参照の値渡し」と理解しておくのが良いと思います。

ちなみに C++ でオブジェクトの値渡しというと、オブジェクトをまるまるコピーしてから渡すので、C++ 経験者に対して「Java
はすべて値渡し」っていうと、思いっきり勘違いされそうな気がします。

2017年4月9日追記:
下の記事で、「参照の値渡し」という言葉がディスられています。
qiita.com

そして「参照の値渡し」

このような Java にかかわる「参照」という用語の使われ方に混乱した人たちや、混乱を治めようとする人たちが、「参照の値渡し」とか「共有渡し(call by sharing)」なる用語を開発しています。
しかし、「参照の値渡し」という人たちの、「参照の値渡し」にという用語における『参照』とはどのようなものを想定しているのかを考えるにつけ、Java において『「参照」といえば「参照値」という「値」』という前提をむしろ理解しにくくしているような気がします。

まあ確かにおっしゃるとおりで、私は「参照の値」を「参照」と省略して、当記事で使っています。

正確に言う場合は「参照値の値渡し」という言葉を使ったほうが平和を保てるかもしれません。

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